SCENE2農業

ピュアキレイザーは、水耕栽培に見られる「病原菌などの殺菌」「溶存酸素の富化」「培養液の浄化」など、さまざまな問題を解決します。

ピュアキレイザーの特徴

  • 培養液の伝染性病害を予防します。

  • アオコの発生を抑制します。

    アオコの発生を抑制します。
    1週間後の培養液の状態
    アオコによる緑色がなっくなった。

    培養液中に植物に必要な溶存酸素を富化します。

    廃液の再利用が可能です。

    原水(地下水・雨水・河川水)の除菌・上下が可能です。

水耕栽培におけるピュアキレイザーの実証データ

培養液における除菌効果

■実践圃場:太陽光型植物工場
■培養液量:約20m³
■設置機種:ZPV-1H(オゾン発生量 :2g/h)

夏場の水耕栽培における根腐症状などは深刻な問題となっています。こ れらは培養液の殺菌が不可欠ですが、一般的に水耕栽培での農薬に は制限があるため、農薬を用いない殺菌方法としてピュアキレイザーRに よる除菌・浄化効果を右記に記載しました。
試験区(ピュアキレイザーR設置)と対照区(未設置)における一般細菌 数や大腸菌群数はともに低い値で維持されています。これによりピュア キレイザーRによる除菌効果が高いことが分かります。
一般細菌のグラフ中では40日目から値が上昇しておりますが、これは弱(間欠)運転を行ったことによるもので、対照区に比べ100分の1程度に 抑えられております。

培養液における溶存酸素の富化

■実証圃場:自社
■対象水量:40L(精製水)
■設置機種:ZPV-0(オゾン発生量:0.5g/h)

一般的に水耕栽培における培養液中の溶存酸素量(DO)は、酸素欠 乏による生育障害を防ぐためにさまざまな供給の工夫がなされています。

ピュアキレイザーRでは培養液を循環させることで、グラフからも分かるように溶存酸素を富化させることが可能です。

この試験では各水温においてそれぞれ約20%増加し、運転停止約3時 間後においても飽和状態を維持していることが分かります。 単純に溶存酸素のみを富化させた場合、培養液中の微生物も同時に 活性化することから生育障害を起こすこともありますが、ピュアキレイザーR では培養液中の除菌とともに溶存酸素を富化させることが可能なことか ら植物の根を健全な状態に維持することが期待できます。

  • ●紹介ビデオ:農業分野

エコカルチャー(Eco culture)
エコカルチャー

  • エコカルチャーとは

    近年、エコは各方面で頻繁に使われ、一般的にかなり浸透した用語といえます。もともとエコとは、ecology(生態、生態学)に由来するものでありますが、しだいに、「地球にやさしい」とか「環境にやさしい」というような意味で使われることが圧倒的に多くなりました。カルチャー(culture)とは、一般的には「教養」とか「文化」として馴染みのあることばでありますが、農業分野では、「耕作」とか「栽培」としてしばしば使うことがあります。

    東洋バルヴは「環境にやさしい栽培」「環境にあまり負荷を与えない栽培」システムのことを エコカルチャー システムと呼び、ピュアキレイザーを開発しました。

    環境にやさしく環境に負荷を与えないとは、肥料等の養分による河川、湖沼、地下水等の汚染、農薬等の薬剤による生物への悪影響、農業機械等の二酸化炭素による地球温暖化などが指摘できます。これらの水質汚染、農業生態系の悪影響、地球温暖化は、農業生産を不安定化するばかりでなく、人類の生命を脅かすものとしていま注目されています。

  • 養液栽培におけるウォーター・エコカルチャー(Water-Eco culture)

    通常、養液栽培(水耕栽培)を英語でいうと、「Water culture」あるいは「hydroponics」と言われます。ウォーター・エコカルチャーとは環境にやさしい養液栽培のことで、ピュアキレイザーはこのことを実現出来る商品と考えています。

    養液栽培が土耕栽培よりもエコカルチャーであるかは即断できませんが、適切な養分管理や病害虫防除が制御しやすくなり、自然環境に曝される土耕栽培よりも環境にやさしい栽培が可能となります。

    養液栽培では、培養液が養液タンクと栽培ベットとの間を循環するものと、タンクからベットへの一方通行だけものとがあります。前者を循環方式であり、後者を非循環方式と呼びます。循環方式は一度に吸収されない水、養分の再利用が可能となることから、非循環方式よりも、省資源的な栽培が可能となり、循環方式のエコカルチャーとしての評価は高くなります。

  • 循環方式の有利性

    養液栽培は年々増加傾向をたどっており、我が国においても各種の栽培方式が開発されてきました。しかし、培養液給液システムにおいては環境への影響が大きい非循環方式がまだまだ多いのが実態です。これに対し、近年増えつつあるのが培養液循環方式です。この方式は、培養液を繰り返し使用するシステムであり、環境への配慮、省資源、コスト低減、或いは持続性などの観点から多方面で推奨され徐々に普及してきています。

    東洋バルヴが開発したピュアキレイザーは、環境にあまり負荷を与えない循環方式の養液栽培システム(エコカルチャー)を実現する画期的な水浄化装置です。

    循環型養液栽培システム 事例

    エコカルチャー
  • 培養液循環方式の有利性

    日本施設園芸協会の資料に基づいて、肥料成分の廃棄量の視点から、培養液循環方式の有利性を述べます。

    表に示すとおり、300日間のトマト栽培期間中に与えつづけた培養液の肥料成分量(施肥量)のうち、トマトに吸収されないで栽培ベットから系外へ廃棄される肥料成分量は、循環方式の方が非循環方式よりも圧倒的に少ないことが明らかです。一方、非循環方式での肥料成分の廃棄割合(廃棄肥料成分量/施肥成分量×100)は、およそ20〜46%の範囲にあり、とくにリン酸と苦土(マグネシウム)で高いといえます。これに対して、循環方式での廃棄割合は2.7〜6.1%であり、非循環方式よりもひとケタ低いことが認められます。

    以上のことから、循環方式の養液栽培では非循環方式よりも、施肥による地下水汚染などの環境負荷が小さく、環境にやさしい栽培であることが伺えます。また、廃棄割合の低い循環方式の栽培は、高い施肥効率(肥料成分の吸収効率が高い)が示唆され、一定のトマト収量を確保するうえにかなり省資源であるとみてよいでしょう。

    表1 年間に廃棄される肥料成分量(トマト300 日、10a 当たり)
    肥料要素 循環方式(kg) 非循環方式(kg) 施肥成分量(kg)
    窒素(N) 1.95 14.7 73.5
    リン酸(P205) 0.95 7.1 15.5
    力リ(K20) 3.76 28.2 117.0
    石灰(CaO) 1.68 12.6 45.0
    苦土(MgO) 0.8 6.0 18.0

    日本施設園芸協会「養液栽培の手引き』を改変